気候変動は命の問題 2050年 カーボンニュートラルの確実な実現へ

近年、気候変動による熱波や寒波、洪水や干ばつなどが、世界各地で勢いを増しています。日本においても、甚大な被害をもたらす豪雨災害が頻繁に発生し、これまでに経験したことのないような猛暑を毎年経験するような事態になっています。この気候危機を食い止めるためにも、2050年カーボンニュートラルは必ず成し遂げなければなりません。新たな技術を駆使し、日常生活や産業活動、また建築物や交通インフラなど、あらゆる分野において、脱炭素化を進める必要があります。

第6次エネルギー基本計画が閣議決定(10月22日)
 政府は2030年までの9年間で、2013年度比46%の温室効果ガスを削減、さらに50%の高みに向けて挑戦を続けていくことを表明していますが、それにはエネルギー分野の取り組みが不可欠です。国のエネルギー政策の基本方針を定める「第6次エネルギー基本計画」では、再生可能エネルギーの割合を「36%から38%」と、3年前に策定された「22%から24%」より10%以上引き上げ、火力については56%から41%と大きく減らす計画です。原子力による発電比率は「20%から22%」に据え置いていますが、現在の原子力による発電量は、全体の6.2%です。

 

再生可能エネルギーを最優先に
 福島第一原発の事故は10年たった今も廃炉を含めた処理の見通しもなく、復興も何もすすんでいません。巨大なリスクを抱える原子力発電は即刻廃止にするべきです。また、温室効果ガスを大量に排出する石炭火力発電は、持続可能な脱炭素社会と逆行するものです。気候変動対策は、日本に充分なポテンシャルがあると言われる再生可能エネルギーへのシフトこそが重要です。
ただ、太陽光や風力発電の急速な拡大は、適地が少なくなっていると同時に自然環境を損なうと懸念する地域住民とのトラブルが起きているのも事実です。立地地域の自然環境や社会的受容性に配慮した住民合意など、ルール化することは重要です。また、再生可能エネルギーの導入が、暮らしを豊かにし、地域経済の発展や安全で快適なまちづくりに寄与するような取り組みが求められます。

市民参加でエネルギービジョンを
 市の施設や温室効果ガス削減は、第4次国分寺市地球温暖化防止行動計画に基づき取り組みが実施されていますが、市全域での脱炭素については、市民や市内事業者の協力が欠かせません。特に、気候変動に自分たちの未来が壊されそうになっていると危機感を抱く若者たちの声をエネルギー施策に反映していくことが重要です。広い市民参加による市域版地球温暖化防止行動計画の策定が必要です。待ったなしの気候危機にスピード感をもって取り組んでいかなければなりません。