予防・日常生活支援総合事業に関する第三回調査から 変容する介護保険 制度再構築へ 決めるのは市民 

2019年2月6日 21時23分 | カテゴリー: 活動報告

東京・生活者ネットワークの新春の集いで候補予定者としての思いを話す「一人ひとり異なる様々な困りごとに対応できるような総合的なかつきめ細やかな福祉のしくみのネットワークをつくりたい」

2000年に「介護の社会化」を謳ってスタートした介護保険制度は、2015年の改正によって、要支援者のサービスを、介護保険給付から各自治体による「介護予防・日常生活支援総合事業(総合事業)」へ移行するという大転換が図られました。

そもそも、介護が必要になった時に誰もが使える社会保障制度であるはずが、財源不足を理由に、市民の負担を増やし、一方で給付を抑制するという、厳しい状況になっています。また、介護職員の労働環境の厳しさもあって、人材不足が課題です。このような状況をふまえ、これまで有資格者が担ってきた要支援者へのサービスを、地域の市民の活動を受皿とした「住民主体の活動」に移行するというものです。例えば、ちょっとした支援があれば地域で元気に暮らし続けられる方々にとって必要な買い物や掃除などの生活援助や介護予防を目的としたデイサービスなどです。

認定NPO法人市民シンクタンクひと・まち社では、2018年から全ての自治体で総合事業が実施されることを受け、都内各自治体の進捗状況について、継続した調査を実施し第3回報告会が行われました。
そこから見えてきたのは、総合事業は「地域づくり」と位置付けられ、新たな多様な担い手の創出を想定しているにも関わらず、実際に事業の多くを担うのは介護保険事業者であり、また、シルバー人材センターや社会福祉協議会等の半公的な団体だということです。事業者からは、報酬単価の引き下げに苦悩する様子が見て取れ、また、NPO等の市民団体の参入を促すためには、運営費の補助や委託など、経済的な支援も必要だとわかります。
ただ、これら単価の設定も各自治体の裁量によるため、自治体としても、近隣の動向も見ながら進めている状況です。サービスの質を低下させず、利用者のサービス機会の制限につながることのないよう、制度設計する必要があります。

また、介護の現場からは「生活援助は、その人らしい生活を支えるものであるため、身体介護よりも難しい要素がある」との指摘があります。
2016年には、介護が必要となった主な原因として、脳血管疾患を抜いて、認知症がトップとなりましたが、特に有資格者でも難しいとされる認知症の方への支援を、一定の研修を修了した方が担うことにもなります。今後ますます増えていく、老老介護、認認介護を支える地域づくりをどのように進めるのか、地域で安心して暮らせる仕組みとは何なのか、一人ひとりが考え、議論していかなければならない課題です。保険料と給付、また、保険制度と地域福祉をどのように組み合わせ、自分らしく暮らせるまちをつくるのか、私たち市民に問われています。