人と自然が共生するまち 樹格に応じた樹木の管理を考えよう!

なぜ樹林地まで強剪定するのか!!~清掃センター裏の樹林地。
春に芽吹いた若葉は夏には生茂り、秋には赤や黄色に染めやがて落葉する。これが自然の生業なのに。

2月2日(土)にリオンホールにて、「第14回 環境シンポジウム」が開催されました。
毎年楽しみに参加していますが、今回のテーマは、「国分寺の樹木・樹林地を考える~みどりあふれるまちを目指して~」ということで、講師の福嶋司さん(東京農工大学名誉教授)からは、人と自然が共生するまちについて、大変興味深い講演がありました。
特に、「人に人格があるように、樹木にも樹格があるのだ」「場所や地形、樹種によって、違ったみどりの管理方法があっていい」との話しに納得。ちなみに、この樹格という言葉は、福嶋先生の造語とのことです。

昨年は、台風の影響で、多くの樹木が倒木し、国分寺駅南口のシンボルツリーも切られてしまいました。また、住宅開発により、まとまった緑が減少しています。
その影響からでしょうか、カラスやムクドリなど、棲家を追われた鳥たちが大移動し、糞などによる被害が報告されています。鳥たちの反乱なのかもしれません。

また、街路樹として植えられているケヤキが痛々しく強剪定される姿に嘆いている方も多くいらっしゃいます。一方、近隣にお住まいの方からは、落ち葉が雨どいに詰まってしまう、清掃が大変など、苦情が寄せられることもしばしばあります。

これまでの長い歴史や文化、暮らしの中で、共生してきた自然と人間の関係が大きく変化してきています。しかし、国分寺のみどりを残したいとの声は根強く、確かにあります。
今後、貴重な樹木や樹林地をどのように維持していくのか、そのために必要な管理のあり方を自然に詳しい専門家も含めて考えていくことが重要です。

年々減少する国分寺のみどりをこれ以上減らさないだけでなく、樹格を大事にした、人間を含めた様々な生き物との共生にまで思いを馳せた、樹木・樹林地のあり方を考えていきたいと思う一日でした。