これからもずっと「農」のあるまちに

国分寺は農地の占める割合が比較的大きく「農のある風景」が生活の中に溶けこんでいるまちといわれています。各所にある軒先販売所には、たくさんの人が新鮮な野菜を求めて集まってきます。こくべジや農ウオークなど、市民が身近に都市農業を感じる企画もあります、

一方、市民の方からは「今まで畑だったところがあちこちで宅地や駐車場にかわっている」「農家の屋敷林も枝が切り倒され、農地や緑が急激に減っているがどうなのか」と心配の声も寄せられています。改めて現状を調べてみる必要性を感じるとともに、市民の暮らしに溶け込んでいる「農業や農地」を考える上では、環境や教育、福祉などまちづくり全体を視野に考えていかなければならない問題であることを実感しています。

都市農業の魅力はなんといっても顔の見える関係性。だからこそ、生産者は市民が安心できる野菜をつくり、市民は地元の安心・新鮮な野菜を選ぶ、という、作る・食べるの循環ができ経済が回り持続的な農業につながります。

昨年、都市農業振興基本法の成立から、生産緑地法の改正、都市農地の貸借の円滑化に関する法律の成立など、都市農業に関する法が改正されました。
ここをチャンスととらえ、先ずは、農業者や若い世代の市民や子どもも一緒に自由な発想で話し合い、できること・やれることはどんどんチャレンジできるような場をつくることが必要だと思います。

私は、昨年市民の方々と足立区立の都市農業公園に行きました。農村の原風景のような畑一面が緑豊かでとても美しい公園で、四季を通じて有機農業者やボランティアスタッフがいて市民は畑体験や農に触れ合うことができます。収穫した野菜を使ったレストランや採れたて野菜の販売所もありました。

こうした地域の取り組みも参考にしながら、国分寺ならではの新たなしくみづくりを提案していきたいと思います。

足立区都市農業公園。 かつての農村の原風景を感じる。

手作りのコンポスト。畑から生み出されたものは畑に返します。