第2回定例会が閉会(7/3) ~印鑑条例の一部を改正する議案に反対しました

改選後はじめての定例会が閉会>
印鑑条例の一部を改正する議案に反対しました

4月に行われた統一地方選挙では、22人中8人が初当選で、年齢もグーンと若返りました。
そのような中、私はすっかり年長者のグループになってしまいましたが、年長者ならではの視点や経験を生かしていきたいと気持ちを新たにしているところです。

さて、今議会に提案された議案のうち、「国分寺市印鑑条例の一部を改正する条例」について反対しましたので、考え方を報告します。

議案の内容は、スマートフォンを利用して、印鑑登録証明書をコンビニ交付できるようにするというものです。このコンビニ交付については、現在、マイナンバーカードで対応していますが、スマートフォンを利用するには、スマートフォンにマイナポータルアプリをダウンロードし、マイナンバーカードに搭載している電子証明書を、スマートフォンに搭載する必要があるということです。
そもそもマイナンバーカードの発行は、あくまで任意であるにも関わらず、政府は税金でマイナポイントを付与するなど、なりふり構わぬやり方で普及を押しすすめ、来年には、健康保険証と紐づけし、現行の健康保険証を廃止するとしています。また、マイナンバーカードを使ったコンビニ交付では、住民票の写しが別人のものであったり、登録を抹消したはずの印鑑登録証明書が、誤って交付されるなどトラブルが相次いでいます。

国分寺では、現在トラブルの発生はないとのことですが、マイナンバーカードで行政サービスが受けられるマイナポータルについては、その利用規約に、「マイナポータルの利用に当たり、利用者本人又は第三者が被った損害について、デジタル庁の故意又は重過失によるものである場合を除き、デジタル庁は責任を負わないものとする」とあります。
つまり、よほどのことでないと責任は問えず、しかも、誰が、どのような場合に、重過失であると判断するのかなど、大事なことが明確でなく、責任の所在が曖昧です。

国は、この間の誤交付や誤登録を受け、全件調査するとしていますが、結局、過重な仕事量と責任を課せられるのは基礎自治体であり、被害を受けるのは市民です。このような状況にあって、スマートフォンへの搭載をめぐるシステム改修については、android端末を先行し、iPhoneはシステムの開発中とのことで、国からはいつ開始になるかなど、見通しも示されていないということが総務委員会での質疑から分かりました。
また、安全性については、「スマートフォン本体のICチップに電子証明書を格納するため、簡単に第三者がセキュリティを破るというのは難しいことから、安全性はあると考えている」とのことでしたが、現在起きている現象を鑑みると、システムの問題、そしてヒューマンエラーの両面から、今のようなあまりにも拙速な進め方では、安全性が確保できるとは言い切れないと考えます。市としては、法の施行が本年5月11日ということもあり、いつサービス開始になってもいいように、このタイミングで条例改正したい、ということでしたが、マイナンバーカードやマイナポータルをめぐって不信感が募る今、点検調査もシステム改修も整わないうちに、条例改正を急ぐ意義が見出せませんでした。
このようなことから、この議案には反対しました。