戦争回避のための外交を!

終戦の日を1か月後に控えた7月15日(土)、新外交イニシアティブ代表・弁護士の猿田佐世さんの講演をお聞きしました。ウクライナ侵攻が長期化し、終わりの見えない中、何の罪もない大事な命や暮らし、環境が奪われ続けています。このことは、「いかなる大国といえども力によって他国を占領することはできず、ましてや他国の人々の心を支配することもできない」ことを実証しています。ひとたび戦争になれば、報復の連鎖が始まり、双方に戦争継続の意思と手段がある限り、戦争は終わりません。だから、「戦争は始まる前に回避しなければならない。そのために痛みを伴う妥協を強いられるとしても、戦争によって失われる人命の重さを考えるなら、戦争回避の外交こそ政治の最大の使命である」と猿田さんは話されます。大いに賛同します。

世界各地で紛争はおきています。日本のおかれている状況は…というと、日本一国では戦争になる理由がなく、日本が中国との戦争になるとすると、米中紛争である台湾有事に巻き込まれたときのみだと猿田さんは言い切ります。

2022年12月には、安保三文書が改訂され、敵基地攻撃能力の保有、防衛費倍増、また、米軍と自衛隊の一体化の加速など、日米安保のもと、国は着々と整備を進めるでしょう。しかし、海外に目を向けてみると、たとえばASEAN外相会議では、南シナ海の問題をめぐり、米中対立が軍事的レベルまで高まっていることについて議論し、「ASEANは地域の平和と安定を脅かす争いに捉われたくはない」との自制を促すメッセージを出したとのことです。このような世界的な課題に対する国際協調こそ重要です。国分寺にいると生活の中で実感することはあまりありませんが、南西諸島を含む沖縄では、日々、戦争中であるかのような報道がなされているそうです。陸上自衛隊駐屯地が開設されたり、生活道路を戦車が走る、また非常時の島外避難計画など、危機感が高まっているということです。私たちは、同じ国民として、その実態を把握し、他人事でなく、考えなければなりません。横田基地においても戦闘機の飛来や在日米軍の訓練が行われています。

「武力ではなく外交によって、戦争回避する」訴えを強くしていこうと、あらためて考えさせられる講演会でした。

 

↑ 最寄りの国立駅のツバメさん。駅にも駅利用者にも見守られ、もうすぐ巣立ちだね!
親鳥が近くで、ピーピーと鳴いて呼んでいる。
小さな命を大切にいとおしく感じるゆとりある暮らしづくりが平和につながる。