「香害」は全ての人の健康に関わる問題です
今、新たな化学物質過敏症として問題になっている、「香害」これは、一部の人たちだけの問題ではなく、全ての人の健康に関わる問題です。
化学物質過敏症は、ごくわずかな化学物質により心身に様々な症状が現れ、電車やバスにも乗れなくなるなど日常生活に支障をきたす深刻な例もあります。誘因となる物質を回避することが重要ですが、ここ数年の「香りつき柔軟剤」などのブームにより、自分は使わなくても強い香りを避けることが困難となっています。
日本医師会では、「使用している香料製品が、あなたに、また周囲の人に健康被害を起こす可能性があることを認知して下さい」とのメッセージを発信しています。また、日本消費者連盟を中心とした複数の団体は、成長期で大人より化学物質の影響を受けやすい子どもたちが長時間過ごす教室に、香料やその他の化学物質が充満しないよう対策を求めています。
そこで、「香りの害」から健康を守るため、日本消費者連盟や化学物質過敏症支援センターなどの情報を収集し、市民への的確な情報提供、啓発を求めました。市は、「体調不良を引き起こしている事例もあると聞く。化学物質過敏症という観点から市報やホームページでの周知を検討する」とのことです。まずは、香害という新しい概念について理解を広げ、使用の自粛を呼びかけることが必要です。
★市議会での質疑から
問)柔軟剤等の香りに含まれる化学物質が原因で、頭痛や吐き気等に苦しむ訴えが増えている。日本医師会からも「香料製品が健康被害を起こす可能性がある」との発信がある。情報収集し市民への啓発を行ってほしい。
(答)体調不良等を引き起こしている事例もあると聞いている。化学物質過敏症の観点から市報やHPでの周知を検討したい。
(問)対策について市の方針を持つべきであるがどうか
(答)環境基本計画実施計画に位置づけるなど、各部と連携、調整を図っていきたい。
同時に、消費者が製品の品質を正しく認識し選択できる適正な品質表示が欠かせません。それを義務付けたのが「家庭用品品質表示法」です。合成洗剤や石けんなど細かい品目ごとに表示すべき内容が定められていますが、柔軟仕上げ剤・消臭除菌剤は対象外のため、メーカーの自主表示に任されています。また、香料についても、現在は「香料」とだけ表示すればよく、その成分表示は必要ありません。そこで、柔軟仕上げ剤や消臭除菌剤も、「家庭用品品質表示法」の指定品目とし、香料の材料成分まで表示することや、国民生活センターが「香害」についての情報提供を徹底し、相談窓口を設置することを国に求めます。そして、必要以上の香料を添加せず、天然の香
料に転換していくことが重要です。