〜マスメディアのパターナリズムを批判できる主体は育っているのだろうか〜 です。
福島第一原発事故から4か月が過ぎましたが、いつ収束するともわからず多くの人を苦しめています。これまでに「ただちに健康への影響はない」という言葉を何度きいてきたことでしょうか。けれども、福島では、すでに鼻血や頭痛など症状を訴える子どもたちがいるといいます。母親たちの不安はどんなだろうか。子どもたちを守るために、気も休まらない毎日だろうと想像します。そして、私は何をしてきたのだろうかと思うのです。
メルトダウンは、事故後数日のうちに想定されていたはずなのに、公表は大きく遅れました。このことによる農業や健康被害の拡大防止の遅れは甚大だ、なぜ、結果の大きさの公表について渋るのかと梓澤弁護士は問いかけます。巨大な原発開発利益共同体の中にいると組織が人間をかえてしまう、だからこそ、オルタメディアの展望があることなど話されました。
講演後、学生と梓澤弁護士のパネルディスカッションが行われました。学生が、情報を集め行動する中から、しっかりと現実に向き合い今後について考える姿には頼もしく思う一方、あふれる情報の中、何をどのように読み取っていくのか、どこから真実を見出せばよいのか迷う姿もありました。あらためて、真実を伝えることの重要性とメディアリテラシーの必要性を感じました。原発事故に関しては、後になって重大な真実が次々と報道されています。大切な命を守るためにも、真実を知ったうえで、少しでも良い方向へ導く対策をみんなで考えていきたいと思います。
梓澤弁護士から最後に、このような言葉をいただきました。
「compassion、」人類に代わって苦しみを受けている人に共感する気持ちでいること。
そして、鬱々とした状況、絶望の時にこそ思い出す言葉「私には夢がある」
ワシントン大行進の時のキング牧師の言葉です。