今年の一文字は「熊」 〜クマ被害からみえる人口減少を考える

頻発する熊の被害について、「人間の活動の縮小が背景にある」との興味深い記事を新聞で読みました。

「人口の減少により、手立てを講じなければならない分野はいろいろと指摘されてきた。先細っていく労働人口。ほころびが見える年金や医療制度。広範囲に維持するのが難しくなっていく行政サービス。しかしそれはあくまでも人間社会の内部のこと。野生動物とのせめぎあいが差し迫った問題になることを想像できていただろうか」

「人間と野生動物との境界を引き直し、ここからは排除するという空間を決めなければならない。これは国土をつくり変えるということでもある」と。

国分寺でも、労働人口の減少は、私たちの暮らしに確実に影響を及ぼし始めています。福祉や教育、交通、建設など、多くの現場で人手不足が深刻です。労働環境の改善や賃金の引きあげはもちろんですが、人口の構造的な問題にどう向き合うのか、来年も継続して取り組んでいきたいと考えています。

そして、自然や動植物との関係にも思いをめぐらせ、次の世代により暮らしやすい環境をつなげていくために、今、守らないといけないもの、変えていくべきことを、皆さんと一緒に考えていきたいと思います。

さて、今年一年、いかがだったでしょうか。たくさんのご意見をいただき、自分では気づけないことにも目を向けさせていただくことができました。ありがとうございました。

間もなく、新たな年を迎えます。どうぞ来年もよろしくお願いいたします。

 

↑子どもたちがドングリ拾いができる国分寺の雑木林を残したい。環境や生き物のために。